就労移行支援の事業所見学は何をするのか分からなかったり、何カ所くらいみたらいいのか迷ってしまいませんか?
就労移行の見学は事業所説明・案内→面談→今後の予定の流れで進みます。
オススメは2〜3カ所の事業所を見学することです。
私はこれまでサービス管理責任者として300名以上の方と関わってきました。事業所の裏側を知っている立場から、ポイントや注意点について解説します。
この記事を読むことで以下のことが分かります。
就労移行支援の見学は何をするのか
事業所見学の一番の目的は事業所とマッチできそうか見極めることです。
自分のやりたいことや学びたいこと、大事にしている点をフォローしてもらえるかを確認しましょう。
例えば、コミュニケーションの課題を解決したいのに、個人カリキュラムだけの事業所に行ってしまっても解決は難しいです。
同じくパソコンスキルを学びたいのに、手作業が多い事業所に行ってもミスマッチですよね。
このようなことがないように、事業所の見学は必ず行いましょう。
見学・体験時に何を意識したら良いのか迷っている方は、以下のポイントを確認してください。
・プログラム内容や支援体制は自分に合っているか
・利用者や職員の雰囲気になじめそうか
・就職につながるイメージを持てるか
見学の流れ

多くの事業所では以下の流れが一般的です。
事前予約→事業所に行く→事業所説明→見学→面談→今後の予定
当日に見学に行くことも出来る場合がありますが、説明できるスタッフがいなかったり、忙しくて十分な対応をしてもらえない可能性があるため、事前に予約をとることを強くオススメします。
順番に詳しく説明します。
事前予約
WEB予約できるところがほとんどです。気になった事業所のSNSやホームページから申込みをしましょう。
一人で見学に行くことが不安な場合は家族や友人、相談員などの同伴も可能です。
同伴者がいる場合は予約の段階で事業所側にも伝えておきましょう。

予約時間は利用者の活動している時間が理想ですが、対人関係が苦手な場合は利用者のいない夕方の時間に見学を行う場合もありますよ
事業所に行く
事前に申し込んだ時間の5分前には到着できるように予定を組みましょう。
時間管理は社会人に求められる大切なスキルです。
段取りを組むことが苦手な場合は、ChatGPTやPerplexity、GeminiといったAIに聞くと、出発時間や経路を教えてくれます。
もし遅刻してしまっても慌てないように、事業所の連絡先を事前に調べておくと安心です。
事業所説明
個室で担当者から事業所に関しての説明を受けます。
もし可能なら事前にWebページをみたり、パンフレットに目を通しておくと理解が深まりやすいです。



事前に事業所の情報を知っている人は、就職に対する前向きな姿勢を感じますね。
不明点はどんな質問でもいいので、遠慮なく確認しましょう。
質問に対する回答も、事業所を見極める際の判断材料になります。
見学
担当者に事業所内の案内を受けます。
この際に特にみてもらいたいポイントは職員・利用者の雰囲気です。
・職員と利用者の距離が近すぎないか
・自身のコミュニケーションスタイルとマッチしているか
・職員、利用者が明るくイキイキとした表情をしているか
・利用者さん同士のやりとりはあるか
安心して通えそうな雰囲気か、自分が通っている姿を想像できるか考えながら見学してみましょう。
また掲示物のチェックも重要です。
掲示物には事業所のルール、イベント、月間のお便り、交通費や資格取得の助成方法などが貼り出されています。
色々な情報が詰まっているので、しっかり確認し、不明点は積極的に質問しましょう。
面談
追加で質問があればこのタイミングで聞いておきましょう。
質問がない場合は担当者からの質問に答えたらOKです。
事業所側からされる質問例は以下のとおりです。
・病歴や体調
・通院、服薬の有無
・就労経験
・必要な配慮や支援
・趣味
・どんな仕事をしてみたいか
・就労移行の利用目的
・目標の就職時期
・週に何日くらい通いたいか
もしも答えにくかったり、言いたくない場合は無理せず回答しなくて良いです。
前半の質問内容は障害者雇用の面接でもよく聞かれる内容です。



ゆくゆくはご自身の言葉で説明できるようになっておけると、就職活動時の強みになりますよ
他の就労移行も検討しているか聞かれることもありますが、何カ所か見学に行く場合は隠さずに伝えましょう。



2〜3カ所程度は見学して、比較検討できるといいね。多すぎると迷って選べなくなる場合もあるから、最大でも5カ所くらいがオススメ!
今後の予定
面談が終了したら今後の予定を決めます。
体験を行うか、体験する場合はいつ実施するか、だれと連絡をとりあったらいいかについてを話します。
他の事業所の見学や体験に被らないように注意しましょう。
「この事業所は合わないな」と感じた場合は、「体験を希望する際は私からお伝えするので、そちらからの連絡は不要です」と事業所側に伝えましょう。このように伝えることで連絡対応の手間とストレスがなくなります。
事前準備は最小限でOK!


極端な話ですが、事業所側は多少遅れようが見学にさえ来てくれれば、持ち物はなくても問題ありません。あえて挙げるとしたらペンとメモ帳、飲み物、資料を持ち帰るためのバックがあれば十分です。
服装はスーツではなく、私服でOKです。サンダルに短パンやミニスカートに露出の多いトップスといったカジュアルすぎる格好は避けましょう。
書いたり覚えることが苦手な場合は録音してもよいか許可を取り、その場に集中できるようにしましょう。
もしも余力があれば「交通費のことを聞き忘れた」といった聞き忘れを避けるために、質問の整理をしておくとより良いです。
さらに最近はネットで事業所情報が公開されています。ちらっと見る程度でいいので、ぜひ一度確認してみてください。



ブログやSNSをやっている事業所も多いので、日々の取り組みや雰囲気を知る手立てになりますよ
見学・体験は緊張やストレスがかかります。「まずは見学に行くこと」を目標に、あまり考えすぎずに体調第一で過ごすことが大切です。
比較検討のために2〜3カ所の事業所を見学しよう
就労移行支援事業所は全国に3000カ所以上あり、特徴や強みもさまざまなため複数の事業所を見学しましょう!
1カ所の見学・体験で入所を決めた後に「やっぱり違うところも見てみたい」と後悔したり、事業所見学に行きすぎて決められなくなっている方をこれまで何人も見てきました。
オススメは2〜3カ所、多くても5か所までです。
あなたの興味がある分野を中心に、大手を1〜2カ所、近所や興味のある事業所を1カ所は見学に行きましょう。
例えばIT系では以下のようなオンラインを併用した在宅学習・就職準備環境を整えた事業所もあります。
まとめ
ここまで、事業所見学の必要性と流れ、事前準備についてお伝えしました。
・事業所とマッチするか見極めるために見学は必須
・見学は事前予約→事業所に行く→事業所説明→見学→面談→今後の予定の流れで進む
・事前準備は不要。余裕があれば質問を考えたり、ホームページを確認
・事業所の見学は2〜3カ所が妥当。多くても5カ所までにする
見学は事業所の雰囲気を知るためにとても重要です。
特に利用者・職員の雰囲気はみておいてください。第一印象や直感でいいので、その時に感じた気持ちを忘れないようにしてください。
知らない場所に行くことは緊張しますし、ストレスや不安も強いです。
見学時にキラキラしてみえた利用者もそれぞれの困りごとや課題を抱えています。
この記事を最後まで読んで下さったあなたならきっと大丈夫です。
就職に向けて、「ここなら通えそう」「一緒に頑張れそう」と思える事業所にことを願っています。





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